訪問介護ことりのある東元町商店会には、「桃の湯」という銭湯がある。
この間は、道の向こうから手を振ってくれたNさんがやけに爽やかだったので、そう呼びかけたら「銭湯帰りだからよ」とこだまのように返してくれた。ちなみに時刻は17時。まだ明るい町の景色の中に湯上りのこざっぱりとした女性が歩いている、というのはいいなぁと見とれてしまった。
そのまま横断歩道を渡ってことりに寄ってくださり、たまたま遊びに来ていた小学生と齋藤と3人であーだこーだとおしゃべりが始まった。
わたしはその姿をしっかりと焼き付けて、3人を残して買い出しへ。のはずが、事務所を出てすぐに空からムクドリの「落し物」が降ってきて、見事に手の甲へ着地!急ぐ用事でもなかったので、事務所に手を洗いに戻った。
わたしが戻ってきたことにも気づかずに話している、小学生と40歳と人生の達人。
手を洗っているところで、やっと気づいてもらえた。
40歳齋藤「なに、どうしたの?」
小学生「えりちゃーん、もう帰ってきたの~?」
わたし「「いやいや、“運”がついちゃったんだよ。ほら。」
N達人「あら~、いいことあるわね~」
小学生「なに~、なんでいいことあるの?」
わたし「ほんとに、いいことありますね。楽しみです。」
小学生「なんでなんで?運がついたらなんでいいことがあるの?」
N達人「運がつくってことなんだよ。」
40歳齋藤「何色だった?」
小学生「ねー、なんでー?!」
気を取り直して、もう一度出掛けて、帰ってきたときには静かな事務所に戻っていた。
「このマンションの1階に銭湯があったらいいのにね、って話してたのよ。」
お一人暮らしの方が、お友だちと話していたことを教えてくださった。
1人分のお湯を沸かすのは面倒だしもったいない。何かあったときにどうしようという不安もある。だから「マンションの1階に銭湯」。
なんだかすごく面白そうな話だなと思ったし、不安なことばかり考えてしまうとおっしゃっていた方から出てきたアイデアだったから、尚のことワクワクした。「それ、すごくいいですね!」
まだそのきれいなマンションの1階に銭湯ができる目途は立っていないから、「日が長くなったら桃の湯に行ってみようとは思ってるんだけど…」とおっしゃるその方に、お一人で不安があるようだったら、銭湯お供します!と言ってみた。