名前って覚えるの大変だし、一般的な単語とも違うので、少し耳の遠い方は苦労されていると思うのです。その中でも、この方とのやりとりは表情がとても印象的で。
「あなた、お名前はなんて言うの?」
齋藤と言います。
「さいとう…何さん?」
えりです。齋藤えりです。
「え?」
えりです。「え」「り」
「…随分、発音しにくい名前なのね。えうい?」
(ゆっくり言うと名前は分かりにくいのかな)さいとうえりです。さいとうえり。
「あぁ、えりさんね。さいとう え・り・か・さ・ん。覚えたわ。」
◇別の日に、もう一人の齋藤が訪問。
「あなたお名前はなんて言うの?」
齋藤です。
「さいとう…何さん?下のお名前は?」
齋藤ひろのりと言います。
「…え?」
ひ・ろ・の・りです。ひろのりです。
「…あー! “い”さん、ね。あら~めずらしいわね、一文字なの?」
とってもチャーミングな笑顔でニコリ。
一生懸命聞いてくださるので、こちらも一生懸命お伝えしてしまうのですが、
自分を呼んでくださっているのだと分かれば、
名前なんて何でもいいなと思ってしまうくらいの笑顔でした。
【後日談】
次の日、訪問すると
「うーちやーまさーん!」と手を振ってくださる。
“うちやま”でもいいかな~、と思っていると、
「あなた、うちやまさん?」と聞かれたので、
びっくりしてついつい「齋藤と言います」と答えてしまい、1からスタートとなりました。