2019年6月28日金曜日

今会わないと


以前にあったご依頼のお話です。

ケアマネージャーから「今日の夕方から入れないか」とお電話がありました。

毎日、朝晩と。

 

もしかすると、と思いましたが、予想の通りターミナル期の方でした。

急に状態がかわって、至急で体制を整えていると。

 

週末のお電話だったため、おそらく大きな事業所は受付をされていないのだろうと思い、自分たちがケアに伺うことの意味が大きいと感じました。

通常であれば「相談してからお返事します」とお伝えし、サービス提供責任者(サ責)でシフト等含め相談を行いますが、この時は「なるべく入れるようにします」と付け加えました。

 

誰がどう動けばほかの利用者さんに迷惑をかけることなく訪問できるのかをメモしてから、少しごり押し気味で、電話でほかのサ責と相談をしました。そしてケアマネージャーへ承諾のご連絡。

 




 

「冗談もおっしゃっていたのにね。」

その方は、わたしたちが訪問に入る前に、ご逝去されました。

「でも、会えた。お会いできた。」

契約に伺ったときに少しお話することができた、その時間が思い出されました。

 

次の日。事業所会議で、多少の無理をしてでも訪問するべきだと強く出ていたことを指摘されました。「なんで行ったほうがいいと思ったの?絶対という感じがした。」と聞かれましたが、責められているとは思わなかったので、少し考えました。でも浮かんだ答えはひとつだけで、「今会わないと会えないと思ったから。」でした。

2019年6月6日木曜日

ご近所さん


訪問するのは、週に1回の方もいれば7回の方もいる。朝昼晩ということになればそれ以上。

「いろいろと話すことができる関係もできるでしょうね。あ、でも週1回とか何カ月かだけという方はそういう訳にはいかないか。」と言われたことがあったけど。ご想像にお任せしますという気持ちを込めて、笑うことで気持ちをぐっと抑えた。

 

 

訪問先のお宅だけでなく、ご近所さんと顔が見える関係になってくることもある。

これは回数や頻度が関係していると思う。

お宅を出たところでお隣さんやお向いさんに手招きをされて、

「何か力になれたらと思うんだけど、どうしたらいいかな。」

「声をかけたら迷惑かな。例えばあいさつとかどうなんだろう。」

「がんばってって言うのはよくないっていうけど、どうなんだろう。」

 

あぁ、こんなまなざしに守られているんだな、と思う。

個人的な情報はお伝えできないけど、「あいさつ、喜ばれると思います。」「ぜひそうして差し上げてください。」「そう言えば、意識したことはないけど、わたしもがんばってって言っていないかも。」など少しお話をする。

 

帰ろうとしたら自転車のかごにお野菜を入れてくださっていた方もいた。

「そちらのお宅にはもうあげたから、これはあなたの分ね。」

チャイムを鳴らしてお礼を伝えたら、さっぱりとした笑顔を見せてくださった。